2023年8月
★ ボランティア体験を終えて
8月19日「木津川市社会協議会」の 「夏休みボランティア体験」の募集で、高校生1名の参加がありました。
受付、資料配布、授業など、笑顔を絶やさず高齢者の スタッフをサポートして、熱心に取り組んでくださいました。感想文をいただいたので紹介します。
【高校高校2年 女生徒 ボランティア感想】
ー 心に残ったこと ー
講座の内容にあった、古文の 時代と現代の時間感覚の 違いが印象的でした。昔の年齢の感覚は1.2〜1.5倍で現代と同じくらいの感覚になること。「数年」が表す期間の長さのずれがとても興味深かったです。
2023年2月
★落語的百人一首 前田 稔
1月の万葉サロンで、百人一首の下の句当てクイズに「ちはやぶる神代もきかず龍田川」が出ました。ご存じのとおり下の句は、「からくれなゐに水くくるとは」で、在原業平の歌です。
落語にも「ちはやふる」という演目があり、ご紹介したいと思います。
この落語の内容は、物知りと言われるご隠居さんの所へ八五郎がやって来て、娘に歌の意味を教えてと言われたが分からないので教えて欲しい。歌は「ちはやぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くくるとは」だと言う。
ご隠居さん、これは有名な歌であると言いながら、じつは意味が分からない。
そこで「こじつけ」の説明をして、ごまかすという噺です。
「龍田川」というのは、相撲とりの名前で、花魁(おいらん)の「千早」大夫に惚れたが、相撲とりはいやだと千早は振った。妹分の「神代」に聞くと、同じようにいやだと言って、「神代」も聞かない。
二人に振られた龍田川は、落ちこみ、まもなく廃業して故郷に帰り、豆腐屋になった。
10年ほどたったある日、店の前にみすぼらしい女がやって来て、3日間何も食べていない。卯の花(おから)が欲しいと言う。龍田川は顔を見て驚いた。それは千早大夫の成れの果ての姿であった。
千早も相手が龍田川と知って、井戸にとびこんでしまった。という話だ。分かったかな。
八五郎は、もう一つよく分からないと言う。
そこでご隠居さんは、最初千早が振っただろ、だから「千早振る」だ、神代も聞かないから「神代も聞かず龍田川」と続く、卯の花をくれないので「からくれなゐ」で井戸にとびこんだから「水くぐる」となる。これでおしまい。
八五郎が最後の「とは」は何かと問うと、ご隠居さんは千早の本名だった、というのが落(さげ)となる。
歌本来の意味とは、ずいぶんかけ離れたものだが、いかにも落語的な噺かと思います。(おわり)
(前田 稔)
2022年11月
★ 村田正博先生が去る8月19日、近鉄電車乗換え駅で転倒、大きな怪我をなさいました。そのことを通して、先生が地域の コミュニティ紙に 一文を寄せてくださいました。ご紹介いたします。
【相楽台コスモス通信 第106号 令和4年10月号】掲載
M's コラム 日ごろ気づかずにいること
8月中旬、ある駅の階段で転倒・落下。数か所の骨折と額に2か所の裂傷を負いました。乗りたい電車がホームに入ってくるのが見えて、いざ、乗ろうと身を乗り出した途端の出来事でした。全治数ヶ月の、まだ幾分の1の状態の毎日、つとめて明るく暮らそうとがんばっていますが、そんな中で気づいたことを聞いていただきたいと思います。
まず、教訓―。定年退職して7年目。在職していた頃には、乗り換えのその駅で、しばしばやっていたその行動が、いまでは、気持だけ前へ行っちゃって、体がついて行かなかった、ということ。老化は、体のほうで先に進んでいるのですね。これからは、はやる気持を少しセーブして、ちょっぴりでも落ち着いて行動しようと心に決めました。
そうして、何よりも感激したこと―。階段の下まで落っこちて、どうにか起き上がった私に、駆け寄って「無理に起き上がらなくていいですよ、額から血が流れてるから、これで押さえなさい」とタオルを差し出してくださったかた。お持ちのスマホで救急車を呼んでくださったかた。駅員さんを呼んできてくださったかた。血が止まらないのを見かねて「これも使ってください」と、きれいな刺繡のある真白いハンカチをさしだしてくださったお嬢さん(このタオルがあるから大丈夫と、さすがに辞退しましたが)。そこいらに散らばっちゃった眼鏡やカバンの中の小物を拾い集めてくださったかた、・・・ 世の中、こんなにやさしいかたがたがいらっしゃることに合掌する思いでした。
逆に、私がそんな場面に通り合わせたら、これほどのことができただろうか、目的の電車にそそくさと乗り込んじゃったのではなかろうか―、そう思い返さざるを得ないのですが。
けっきょく、再三の催促にもかかわらず救急車は来ず、もし来たとしても病院に速やかに搬送していただけるか不安でしたので、なんのこれしき、バンドエイドとセデスとバンテリンでなおると豪語して、駅員さんの制止を振り切って帰って来ました。高の原駅に迎えに来た妻に連れられて、そのまま、駅前の整形外科へ。最初に記した重傷と診断され、治療を受けています。
ケガの2日後、行き会わせた小学校就学前ぐらいのお嬢ちゃんが、私の額の大きな絆創膏や腕のギブスから眼をそらせない様子なので、「こんにちは」と言うと、「だいじょうぶ?」と―。「うん、大丈夫だよ、ありがとう」と答えると、大きくうなづいて、お母さんのほうへ。胸の中が、じーーんと暖かくなりました。
ついでに、もうひとつ―。あちこち痛くて、なるべくジイッとしていた数日間、パンにジャムをぬったスプーンを嘗めても、いつものようにきれいに嘗めきることができませんでした。ああ、声も小さくなっちゃってる―。そっか、舌の根がしっかりしていることが、元気のバロメーターでもあるのだ―、そう気づいて、精魂込めてスプーンを嘗めきることに努め、1週間ほどで舌の力が回復、よくしゃべり・よく笑う日々が戻ってきました。いまは、口先だけですが。
(村田 正博)
2022年10月
★ 10月15日の村田先生の詩の話、とても良かったです。お世話ありがとうございました。村田先生お元気、何よりもうれしく。話で、長田弘氏の名を知り、帰りに上の 図書館へ行き長田氏の詩集2冊借りて、今読んでおります。いいですね。
“村田先生 白髪の 詩の好きな人 涙して詠む言の葉は 舞ふ秋風に”
(植村貞澄)
★ 今日(10月15日)の村田先生の現代詩「とっておきの 詩をどうぞ」とても良かったです。分かり易い現代の 言葉なので、知識として頑張って理解するのではなく、即、心で感じられて分かり易かったです。 村田先生が涙を流されるお気持ちはよくわかりました。
両親を思い、地球を思い、リンゴだけでなく、秋の 果物、梨、柿、葡萄、自然の 恵みをいただいた満ち足りた貴重な1時間30分でした。
(瀬戸口智子)
2022年7月
★ たのしみは 講師受講者相集い 萬葉びとを想うひととき
(米田洋子)
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